チャイコフスキーのピアノ協奏曲、久しく聴いていなかったです
クラッシックを聴き始めたころはクライヴァーンのLPを夢中になって聴いてましたが
なんだかもうこの曲を夢中になって聴く歳は過ぎ去ったような
ところが最近オークションでゲットしたLPの中にこんなのが混ざっていました

リヒテルのピアノ、バックがムラヴィンスキーのものです
この演奏の存在は知っていましたが聴いたことはなかったものです
古い録音、おまけに疑似ステレオというハンデにもかかわらずに聴きました
この曲はご承知のように第1楽章が異常に長いというか大きくて頭でっかちの構成
その第1楽章を悠然と大河の如く演奏するのも悪くないですが。。。
この演奏は主導権をムラヴィンスキーがとっているのでしょうか?
フレージングのせいか小気味よいテンポ聞こえます。
ムラヴィンスキーはいつも通り快刀乱麻の如し
リヒテルのピアノが負けじと豪快についていくところが爽快
2楽章もテンポは速め、音楽が盛り上がるにつれ、ピアノも白熱
ただ白熱するでけではなく、ふと詩を感じさせるところが何ともいえないところ
この楽章はややもすると退屈なのですが、そんなことを感じさせない豊かな膨らみのようなものを感じました。
3楽章もリヒテルは奔放に弾いているが、ここでも豪快一本槍ではなくて歌を感じさせてくれる。そして最後はムラヴィンスキーとともゴール目指してまっしぐらといった感じで最高のフィナーレ
熱い熱気というよりも冷たい緊張感と詩情が漂うようなチャイコフスキーでした。
もっと爆演系のものかと思っていたのですが予想に反してゆとりと詩情を感じさせるひと味違ったもので掘り出し物でした
これでもう少し音が良かったらな、そこがチト残念でした
スヴィヤトスラフ・リヒテル(ピアノ)
エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮
レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団